今回は、
メガネの洗い方、手入れ方法でお悩みの方、またはどのように手入れすればよいのかわからない方にむけた記事となります。
私が眼鏡屋で働いて試した方法の中で、もっとも良いと思った、メガネの洗い方を紹介します。
メガネの洗い方というのは実はかなり重要です。これを間違えるとどうなるかというと、
・レンズがが傷だらけになる
・レンズが常に汚れた状態になる
・フレームのメッキがはがれたり、痛んでくる
といったことが起こります。
特にレンズの傷や汚れは、見え方に悪影響を及ぼすので、最も気を付けたいところです。
NGなメガネの洗い方
・乾拭き
おそらく眼鏡屋さんなどでもアドバイスを受けることが多いかと思います。
メガネは乾拭きがNGです。
特に、レンズについては、やめたほうが良いです。
レンズの表面には細かい埃がついており、その埃を引きずることで、レンズに傷がついてしまいます。
埃で傷がつくなんてことがあるのか?という話ですが、メガネのレンズ表面に施されているコーティングは非常に薄く(サランラップの1000分の1の薄さだそうです)、埃程度の異物をこするだけでも、大きなダメージを与えてしまいます。
また、乾拭きをしても、基本的に汚れは引き延ばされるだけで、あまり落ちません。それをなんとか落とそうと、ゴシゴシとこすってしまいがちです。
乾拭きを繰り返していると、レンズに細かい傷がびっしりとつきます。普通に見ても分かりませんが、蛍光灯などの光に透かすと傷が分かります。私も多くの方のレンズを見てきましたが、乾拭きをしている人のレンズは見ただけで分かります。上下左右、または円を描くように一方向に傷がついていると、乾拭きをしていることが分かります。このようなレンズで毎日物を見ているのかと考えると恐ろしくなるほどです。
・石鹸で洗う
石鹸で洗うと、レンズは一時的に非常に綺麗になります。
ですが、石鹸はNGです、酸性やアルカリ性の成分は、レンズのコーティングを痛める可能性があります。
・お湯で洗う
また、お湯で洗うのもNGです。お風呂場でついでにメガネを洗う習慣をもつ方もいらっしゃるかもしれませんが、やめたほうが無難です。
レンズのコーティングと、その下の基盤の熱膨張率が著しく違うため、コーティングにヒビが入ってしまう可能性があります。
最適なメガネの洗い方
それでは、メガネはどのように洗うのが正解なのでしょうか。
メガネ屋ではこう教えています。ズバリ「水+中性洗剤もしくは専用クリーナーを使う」です。
レンズは水で洗い流すことで、表面の埃が落ちます。そのあとに、中性洗剤(台所の洗剤などですね)もしくは専用クリーナーで、指紋や汗、化粧汚れなどといった水では落ちにくい油汚れを落とします。そのあとにティッシュもしくはメガネふきで吹けば完成です。
実際、メガネ屋では、メガネをこのようにして洗っています。水洗いをするというところがぽ委員とですね。
水洗いをしてくださいね、お客様に伝えると、「フレームが錆びませんか?」と聞かれることがあります。
基本的に、フレ0無自体はチタンやステンレスで作られているので、錆びる心配はありません。
錆びるとすれば、鼻あてやツルを止めているネジですね。ただし、この部分は水で洗おうが洗わまいが錆びます。
むしろ、洗わず、汗がついたままにしておくほうが錆びます。水と塩水とでは、錆びが進むスピードが塩水の方が早いのと同じです。
市販のクリーナーを使うべきなのか?
私はメガネ店員時代、お客様には自店のメガネクリーナーをおすすめしていました。
私が勤めていたお店では、泡になって出てくる、水洗い不要のタイプのクリーナーを販売していました。
会社員という都合上、自店のものを良いものと伝えていました。ですが実は、現役時代も今も、私自身、このクリーナーを使ったことはあまりありません。
代わりに使っているのが、「メガネのシャンプー」です。
メガネのシャンプーは、同じく泡状で出てくるクリーナーですが、そのあとに水洗いを必要とします。
水洗いの手間が増えるように感じますが、私はこちらの方を愛用しています。
それでは、メガネのシャンプーは、水洗い不要のメガネクリーナーに比べて、どこがよおのでしょうか。
一回で圧倒的にきれいになる
メガネのシャンプーで手入れすると、本当にピカピカになります。
水洗い不要のクリーナーは、実際使ってみると、かなりうまく使わないと、汚れが完全に落ちません。
水洗い不要のクリーナーは、水洗いが不要な分、洗浄力が弱く抑えられています。
ですので、メガネの汚れ具合によっては、2回3回と使用しなくてはならず、かなり手間です。
なので、水洗いは必要ですが、一回できれいになるメガネのシャンプーを使う方が、手間もかからないと感じます。
また、水洗いをすると、フレームもしっかりと洗えるため、より綺麗になっている感覚があります。
フレームの特に耳にかかる部分などは、常に肌と当たっています。また、耳の裏はすごく汗をかきやすい部分なので。フレームがダメージを受けがちです。
水洗い不要のクリーナーだと、フレームが洗いづらいんですよね。フレームにスプレーを吹きかけようとしてもなかなかうまくできません。
結局、水洗いをする方が、何倍も綺麗にできるのではないかと思います。
安い
水洗い不要のクリーナーはとにかく高く、メガネ屋で買うと、1ヶ月分で1000円弱くらいかかります。
これはかなり高く、仮に一年毎日使ったとすると、1万2千円です。実は、然るべき店に行けば、このくらいで新しいレンズが買えてしまいます。
そう考えると、クリーナーを使うのもあほらしくなってしまいますよね。
一方メガネのシャンプーは、400円くらいで、容量は水洗い不要のクリーナーの3.5倍くらい入っています。
なので、水洗い不要のクリーナーに比べ、圧倒的にコスパが良いのです。
これらのメリットがあるため、私はメガネのシャンプーを愛用しています。
中性洗剤 VS メガネのシャンプー
メガネ屋に勤めて、メガネのクリーニング方法の説明をしていて常々思っていたことがあります。
それは、「結局中性洗剤を使えばよいのでは?」ということです。
今までメガネのシャンプーの紹介をしてきましたが、自宅にある中性洗剤(食器用洗剤)を代わりに使っても、同じ手入れができます。
実際に使ってみると、メガネのシャンプーと同じようにすごく綺麗になります。
と言いますか、どちらも成分はほとんど同じで、あとは泡になって出てくるか、液体のままかの違いでしかありません。
私はメガネのシャンプーを使っています。泡立って出てくるという点と、匂いが良いという点が気に入っているからです。
と思っていたのですが、
泡で出てくるから洗浄力が高いといったことはないということを最近知りました。
汚れを落とすのは、洗剤やメガネのシャンプーに含まれている成分の方なので、泡立ちはあまり関係ないようです。
泡で出てくるメリットは、
よく伸びるため、汚れを落とす成分が少量でも多くの面積が洗える、つまり「コスパに優れる」ことです。
ただ、成分が伸びる分、洗浄力は落ちます。しかし、メガネのレンズのような滑らかな表面上の汚れを吸い込んでくれ流ので、比較的相性が良いとも言えます。
なので、メガネを洗う分には、泡立ちが良い方がコスパが良いような気もしますが…
いくらメガネのシャンプーでも、両あたりの価格は、普通の中性洗剤と比べると割高です。「メガネ専用」という付加価値をつけて、高単価で販売しているということですね。
私がいたメガネ屋で売っていたクリーナーよりはかなり安いので、お買い得なように感じていましたが、実際はそれほどでもないような気がします。
結論 : 中性洗剤を使います
今使っているメガネのシャンプーを使い終わったら、普通に中性洗剤で洗おうと思います。
洗浄力もコスパも最も良い洗い方は、結局中性洗剤と水で洗うことだと思います。
メガネのシャンプーも、匂いは好きですし、もこもこ泡立つのも見た目としては好きですので、「洗う楽しみ」のために使うのはありかと思います。