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VRで視力回復する理屈をメガネ屋が解説

投稿日:2019年3月15日 更新日:

先日、PSVRを購入しに行きました。

というのも、VRゲームを続けることにより、視力を回復させることが出来る、という情報を見たからです。

私は眼鏡屋に勤めている関係で、眼の機能について色々と学んできたので、とても興味深く感じました。

また、自分自身、眼鏡屋に勤めながら、眼鏡をうっとうしく感じ、

「裸眼で過ごせたらなあ」

と思う機会も多かったため、

「本当に視力回復出来るならやるしかない!」

と思ったのです。

今回の記事では、私がPSVRのどこに視力回復の可能性を感じたのか、出来るだけ分かりやすく解説しています。

VRで視力が0.3→1.0になったという実話が存在

「VR 視力回復」と調べると必ず出てくるのが、Twitterユーザーの「お休みさん」が2018年8月3日に投稿したこの内容のツイートです。

VRゴーグルを毎日のように被るようになって5ヶ月程になりますが、何故か視力が回復してきたみたい。

検査でも0.3→1.0など。ずっと掛けてきたメガネなしで不安なく車を運転できる事に気づいて驚いてます。

ゴーグルの焦点距離が2mくらいの所にあるという話と関係あるのかな。

— お休みさん@えのぐみ (@0yasum13) August 2, 2018

こちらのツイートが13,000以上のいいねを獲得し、かなりの話題となりました。

視力0.3→1.0というのはかなりインパクトが大きかったことも、拡散の要因の一つでしょう。

他サイトさんにより、「お休みさん」の眼の状態やVRの使用状況などの情報が公開されています。

①10代頃から視力が落ち、10年以上0.3~0.5をさ迷っていた

年齢や視力からして、典型的な近視の状態と考えられます。

②VRのプレイ時間は140日で700時間ほど。

換算すると、約5ヵ月で毎日5時間ほどのプレイ時間になります。

かなりの時間ですね。

③始めて3ヶ月ほどで見えづらさが改善している気がしたが、5ヶ月目で車の運転時に眼鏡を外しても遜色なく見えていることに気づいた。

となると、視力回復を実感するに到るまでにかかった時間は約300時間ほどでしょうか。

④プレイゲームは、OculusRiftの「VRチャット」

Oculus Riftは機種の名前で、パソコンと接続しVR体験が出来ます。

VRチャットは、バーチャル空間内で色々な人とオンラインで繋がれるソーシャルゲームです。

⑤プレイ時は裸眼で、瞳孔間距離を自身に合わせて広げていた。

「裸眼」でプレイするのはポイントとなりそうです。

瞳孔間距離についても、興味深い情報です。

これらの事実から、視力回復に必要と思われる事柄が分かってきます。

Ⅰ.裸眼でのプレイ

Ⅱ.立体視の仕組み

Ⅲ.瞳孔間距離の設定

順に解説いたします。

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VRゲームで視力回復する理屈とポイント

Ⅰ.裸眼でのプレイ

お休みさんの話の中で、重要事項の一つと思われるのがこちらです。

同氏の視力は0.3~0.5とのことなので、眼鏡やコンタクトの度数に直すと大体ですが「-2.00D」ぐらいです。

「-2.00D」ということは、お休みさんの眼は、裸眼で50cmの距離にピントが合った状態です。

(度数の逆数が焦点距離になる、というやつですが、詳しいことは他の記事に譲ります)

対して、Oculus Riftの焦点距離は、ゲームにもよりますが、大体2m前後となっているといいます。

つまり、お休みさんは裸眼でプレイしていましたが、実際は焦点距離が足りず、多少ぼやけていたということです。

眼鏡をかけたほうが、より鮮明なVR映像を楽しめたのでしょうが、

-2.00D程度の近視であれば日常生活ではそれほどぼやけが気にならない方も多くいらっしゃいますし、

VRゴーグルの下に眼鏡を装用するのは、結構わずらわしいものなので、いっそ外してしまえ、となっても不思議はありません。

その結果、お休みさんは自分の眼の焦点距離よりも遠くのものを、1日5時間の頻度で見続けることになりました。

「遠くを見ると視力が戻る」ということは昔から何となく言われてはいますが、今回の一件がその実例であるかもしれません。

遠くをよく見ることと、視力の関係は、下記の記事で解説しておりますのでご参照ください。

メガネは目を悪くする根拠しかないことを眼鏡屋が解説

 

ですが、実際はこれだけが原因ではなく、次に述べるような要因が複合的に影響しているのではと思います。

Ⅱ.立体視

VRの映像が立体的に見える仕組みをご存知でしょうか。

ポイントは、右目と左目で、違う映像を見ることです。

私たちは、両目でものを見るときに、少し寄り目になって、両目で同じものに照準を合わせて見ています。

しかし、右目と左目は、通常6cm前後離れているため、同じものを見ていても、若干違う方向の映像となります。

脳は、この右目の情報と左目の情報のズレを利用し、ものの立体感を得ているのです。

VRでは、目と目の間に仕切りがあり、右目では右目用の映像を、左目では左目用の映像を見るようになっています。

そして、お察しの通り、右目用と左目用の映像を、6cm前後ずらした角度からそれぞれ撮影しているのです。

脳がその2つの映像を合わせると、現実世界と同じように、立体的に見えるというわけです。

面白い技術だな~と思うとと同時に、VRをプレイすることが目にとって特殊な状態であることが理解できます。

VRプレイ下では、ものを見るために寄り目になる必要がなく、右目と左目は、それぞれ正面に映った別の映像を見ています。

この、寄り目をしない状態とは、遠くを見ている状態に似ています。

もちろん、本当に遠くを見る状態と違い、ピントは手前に合っているわけですが、この、疑似的に目を遠くを見ている状態にすることが、視力の回復に関係があるのではないかとも考えられます。

ちなみに、交差法や平行法という「立体視」をすることが、視力の回復に繋がるということは、以前より言われてきました。

このうち平行法は、VRを見るときの目の状態と同じです。

Ⅲ.瞳孔間距離の設定

お休みさんのコメントには、「瞳孔間距離は自身に合わせてめいいっぱい広げて利用した」とあります。

ここにも視力を回復させるヒントが隠れているではと感じます。

瞳孔関距離、通称PD(Pupillary Distanceの略)は、右目の中心と左目の中心の距離のことで、平均が60mm前後です。

私も眼鏡屋として数百人のPDを測ってきましたが、成人の場合、大きい人で男性で70mmほど、小さい人で女性で55mmほどです。

そして、PSVRでは、PDの初期値は62mmに設定されています。

つまり、右レンズの中心と左レンズの中心の距離が62mmということです。

ちなみに、私のPDは66mmです。

初期値に対して広めなため、少し寄り目にならないと、レンズの中心でものを見づらいということになります。

そして、寄り目になると、前述した通り、目のリラックス度合いが減るので、視力回復の効果が薄れると考えられます。

視力回復のことを考えるのなら、お休みさんのように、PDが自分のものと同じかやや広めになるように調整する方が効果的でしょう。

このように、VRゲームをするとき、私たちの眼は、感覚に反してかなりリラックスした状態にあるといえます。

そのリラックス効果を最大限に発揮させ、視力を回復させるためには、メガネをかけずに行うという点と、瞳孔間距離を正しく合わせるという点が重要であるように考えられます。

科学的な検証も存在

上のような「お休みさん」の例は、あくまで一個人による例ですが、実際に、VRゲームに視力回復効果があると認められた実験も存在します。

北京の研究機関、アドバンスド・イノベーションセンターは、9~12歳の子ども50人に対して、VRゲームで遊んでもらってから、その前後で視力を測る、という実験を実施しました。

プレイ時間は20~60分という短い時間でしたが、それでも参加者のうち14%の視力に改善が見られたと言います。

この実験結果はかやり衝撃的だったので、世界中に拡散し、その結果寄せられたコメントの中には、「俺も最近視力回復したんだけど、VRゲームのおかげだったのかな?」のような言葉も含まれていたのです。

いくつかの条件は必要かもしれませんが、VRで視力が回復するという説は、ままある話として認識されつつあります。

 

実際に使ってみた結果

試してみると、確かにいくつかの効果を体感できました。

一つは、確かに「眼のリラックス」を感じることです。

私は以前はスマートフォンで動画を5~6時間ぶっ続けで観ていたこともあり、その時は本当に目が痛くなっていました。

しかし、VRはそういった眼の痛みや、疲れを感じることは全くなく、目にとってかなり楽な状態だと感じました。

実際に、PSVRでもVRモードで動画が見れたので、ずっと観ていたのですが、かなり快適でした。

それで、肝心の視力回復についてですが、確かに1時間以上VRゲームをプレイしたり、動画を観た後に、VRゴーグルを外すと、ちょっとだけ世界がクリアになったように感じるのです。

近視独特のブレが少し収まり、ものの輪郭がシャープになったような感じですね。

私の場合、まだあくまで一時的なので、これが本当に視力回復なのか、単なる気のせいなのか(VRの解像度と、現実世界の解像度の違いなど)は分かりません。

より長期的に観察する必要がありそうです。

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